●春寒お見舞い申し上げます
昨年はぶどうをお買い上げいただきまして、本当にありがとうござ
いました。思いの外、沢山のご注文をいただき、嬉しい悲鳴をあげ
ましたけれども、工業製品のように徹夜をして生産できるというもの
ではないので、心ならずもお断りした方々もあり、申し訳ない限りで
ございました。
FAXがうまく着信出来ていなかったり、電話でお受けしていたのに
畑で仕事をしている間に忘れていたりと沢山沢山ご迷惑をおかけいた
しました。それでも、お叱りのお言葉ひとついただかず、皆様から
暖かく接していただき感謝申し上げております。
どうかこれに懲りませず、本年もよろしくお願い申し上げます。

●どんな所か行って見たいと思い…
北は北海道から、南は沖縄まで全国各地の皆様からご注文を頂きま
した。送り状を書きながら、名簿を作りながら、まだ見ぬ地への興味
関心が高まり、地図を広げて見ました。更にはどんな方達が食べて
下さっていうるのだろうという思いも湧いて来て、
「潰れないように届くといいね」
「おいしいと言って食べてもらえたらいいね」
と話しながら荷造りしました。

●マスコミのご好意に甘えすぎてご迷惑をおかけしました
新聞・雑誌・テレビと色々な角度から取材に来られ、発表して下さい
ました。
雑誌「サライ」8/20号(小学館)は、主人の取り組んで来た育種を
中心にとても上手にまとめて下さいました。おかげで8月6日発売
と同時にFAXやお葉書での問い合わせが続きました。
例年ですと、10月上旬ぐらいまであるぶどうが1ヶ月も早くなる程
パニックがおきたのは9月12日(土)からでした。
テレビ「旅サラダ」(中継)があった日のことです。
たけし軍団のラッシャー板前さんがいらっしゃって生中継が行われ
ました。
放送終了と同時にFAXが鳴り始め、三日間は鳴り続きました。夜中
にも鳴るので、とうとう信号音が出ないようにコードを引き抜いて
眠りました。
一週間かけてお断りのハガキを出したのが約800枚余り。
「瀬戸ジャイアンツ」(桃太郎ぶどう)が食べたいとおっしゃって
即日いらっしゃった方々もおられ、びっくり致しました。京阪神や
広島、高知の方から沢山見えました。主人の友人宅を紹介したり、
青空市を紹介したりとお断りするのが一苦労でした。

●有名にはなったけれど…
岡山県では「マスカット」が主流ですから、「瀬戸ジャイアンツ」が
発売されるのを快く思われない方々もおられるようです。
今流行りのいじめにも似た現象が起きているのです。
東京のある有名店で瀬戸を販売しようとしたら、マスカットの仕入れを
ストップさせるからと圧力をかける方がいたり、瀬戸の苗木を植えて
育てている方のハウスの中の樹が切り倒されていたりと、耳を疑うよう
な事件が実際にあるのです。
そうでなくても農業は、新しい事に取り組む姿勢が整いにくいのです
から、もっとフランクに出来ないものでしょうか。
二十年近い研究の成果がようやく花開き、主人にとっては本当に思い出
に残る年だったように思います。でも、まだ全国の商店で「瀬戸ジャイ
アンツ」を販売できるようになるには遠い道のりとなりそうです。

●花澤ぶどう研究所開設10周年でした
登録品種(自慢の品種)
@瀬戸ジャイアンツ(桃太郎)
A涼玉
Bブラック三尺
Cハイベリー
Dマスカット・デューク・アモーレ(甘太郎)
E備前ゴールド(金太郎)
研究グループの皆さんがどの品種にも関心をもって下さって少しずつ
販売ルートにのり始めています。F「秋峰」登録中。

続き(第7号)を読む
前(第5号)へ戻る
第6号PDF形式