●ごあいさつ 春うらら…各地から花便りが届いております。お元気でいらっしゃ いますか。お伺い申し上げます。 昨年の天候はぶどう作りをする者にとっては辛い辛い天候でした。 それでも花澤流の栽培方法で何とか努力が実り、好評裏にシーズン を終了しました。これも皆様方のご支援の賜物と心より感謝し、お 礼申し上げます。 今年も天候がどうあろうとより美味で安全・安心なぶどう作りに全 力を注いでおります。 どうぞよろしくお願い申し上げます。(花澤 茂) ●「農」に生きる私達の希望 最近の食と健康を巡る話題はみなさんと共に考えたい課題が山積み しています。私の青年期は戦後の食糧難時代で、栄養失調のため餓 死者さえ報じられた時期でした。ですから今でも1粒1片の食物を 大切にしています。しかし最近は大量消費・大量廃棄という風潮に なり、食物が粗末にされることが多くなりました。しかも日本の食 糧自給率は僅か40%足らず、文明国の中では最低です。 国は財政破綻寸前、国民はバブル生活そのもので、いつか天罰に襲 われるのではないかと心配で仕方がありません。 既に農薬汚染・抗生物質汚染・ウィルス汚染・大気や土壌そして水 の汚染と有限の地球破壊が始まっています。近代科学文明経済至上 主義を襲うパンドラの箱を開いた罰でしょうか。哲人ゲーテの警告 「人は自然に還れ!」の前に自己反省をせざるを得ません。 こんな状況下みなさまに信頼され愛されるぶどうを作るのは大変な 事です。どうかより一層のご指導ご鞭撻をいただきますようよろし くお願い申し上げます。 ●1日体験ぶどう作り 私達が口にしているぶどうがどのようにして育てられているのか取 り組みの一端をご紹介し、一層のご理解をいただくため、関心をお 持ちの方々を対象に「1日体験研修会」を左記のとおり計画しました。 T.日時 平成16年6月25日(金) 午前11時〜午後3時 U.内容 @観察・説明…生育中にどんな管理をしてバランスのよい房に仕上 げていくか、摘心・粒間引きなど枝や果実の手入れの説明を聞き、 観察をします。 A袋かけの実習…房の手入れの終わった房に、果袋をかけて病害虫 を防ぎながら成熟するまで保護します。 V.準備するもの ・作業しやすい服装(長袖シャツ、長ズボン…暑さ・害虫よけ) ・日よけ(つばの広い帽子はハウス内では脱いでいただきます) ・お弁当をご持参ください。(お茶は用意します) W.受付人数 10名(申込み先着順) ●昨年度のお便りから (A)露地栽培とハウス栽培の差は? 露地栽培は気象条件が全く自然な状態で、その恵みを一杯受けるこ とが出来ます。しかし日本は外国の産地より、4月〜10月が高温多湿、 日照不足等であるため、病害虫の被害が多く、農薬を沢山使わない といけません。年により豊作・凶作の差が生じてしまいます。 ハウス栽培はフィルムと防虫ネットで樹を覆い、生育条件を整えて 病害虫の発生を抑え減農薬栽培が出来ます。さらに収量の安定と品 質向上に役立ちます。けれどもハウスの内部をより自然の状況に近 づけるための施設が必要で、その管理にも高額な費用がかかります。 (B)粒の大小・色づきの差があるのは? 市場出荷を目指す一般農家では、果粒や房の大きさ美しさを外観で 競い価格が決められるため、・多肥-粒が大きくなる・多農薬-病害 虫が来にくいのが普通です。私達は食味と安全性を重視するため化 学肥料を止め、堆肥による地力培養、ハウスによる減農薬化、樹の 生育整理を重視しています。 そのために窒素の少ないことや日照不足(6月〜8月)などが微妙 に影響して粒の大小が生じたと思います。特に桃太郎ぶどう(瀬戸 ジャイアンツ)の肥大不足と生理的な果皮の褐色斑点の発現が多く て残念でした。ただし食味と安全性はほぼクリアできたと思います。 着色は7月〜8月の夜温が22度以上だと葉緑素がキサントフィル (赤・黒の色素)に変化しにくく、食味は良くても着色不良となり、 その後、夜温が低くなったとしても着色しません。西南暖地は熱帯 夜が多く着色しにくい傾向があります。 (C)粒の潰れたものや腐敗したものがあったが? 主に「花澤ローザ」の中に裂果・腐れ果が混入し、大変ご迷惑をお かけいたしました。当方の送果段階での手落ちです。謹んでお詫び 申し上げます。 裂果の発生は一株で地下水位の激変が原因だろうと思われます。本 年は十分に吟味して発送に当たるよう注意いたします。 (D)発送の時期がもう少し早くならないか? 新しいお客様から必ずお声が出ます。お正月明け頃からハウスの中 の温度を上げて加温栽培をすれば7月上旬に発送出来ます。加温機 を入れれば可能ですが、検討中です。 ●トピックス-取材ラッシュ- ・日本テレビ「松紳」(お取り寄せ)=「幻のぶどう」 ・瀬戸内海放送 ニュース番組特集30分 ・山陽放送 ニュース特集「どんぶらこ」 ・NHK「昼どき日本列島」生中継23分 ●「桃太郎ぶどう」の大木伐採 まだ老木ではありませんが、平成元年に植えた一番古い瀬戸ジャイ アンツの大木。台木が不良で穂木の生育を支えきれず、台負け現象 を起こして衰弱し、生産力が低下してしまいました。 当所自慢の15年も育てた樹でした。約200平方メートルまで枝 を伸ばしていました。涙を呑んで伐採。新しい樹を植え替えました。 古い樹の根が翼を広げたように遠くまで広がっていて、掘り上げる のが可愛そうでした。 我が子以上に育て上げた樹がなくなりハウスがとても広々としてい るようです。主人の背中がしょんぼり…。 若い樹に期待して一からの出発です。 ●勉強会・研修会・家庭果樹栽培を楽しむ会 我が家で開かれる会合がいっぱい!スタッフの皆さんと定期的に 「勉強会」を始めました。他所の人達にばかり指導をしていた主人 が昨年から家に居るようになったのをきっかけに基礎から習ってい ます。やっと順序立てて教えてもらえる時間が持てました。きっと 美味しい実が稔ることでしょう。 ●苗木も販売しています ◎販売中 「マスカットデュークアモーレ」1本\3,000+消費税+送料実費 ◎予約受付中 @瀬戸ジャイアンツ ※ A涼玉(両玉) ※ Bハイベリー ※ Cブラック三尺 ※ Dピオーネ 1本\2,500+消費税+送料実費 ※これらの品種は当研究所が育成した登録品種です。 ◎ご注文はハガキかFAXでお願いします。 FAX 0869−52−1635 ●宇和海で鯛釣り 香川県高松市在住の明石さん(ぶどう作りと鯛釣りの名人)のご好 意に甘えて、家内と二人出かけました。 30年ぶりに大物釣りを楽しみました。私達にとって生涯の記録で しょう。50センチ級の真鯛7枚、40センチ級の黒鯛17枚と、 とんでもない大記録。 この中、家内が3枚、私が7枚釣りました。明石氏のおかげです。 ●第2農場の生育順調 開設3年目のぶどう。土づくり樹づくりに努力し、今年の夏は少量 結果させる予定です。周辺の方々が成否に注目されています。来年 の岡山国体ホッケー会場の近くです。「桃太郎ぶどう」で選手の皆 さんをお迎え出来たら…と考えています。 続き(第18-2号)を読む 前(第16号)へ戻る 第18号PDF形式