メッセージ1

新年のご挨拶

明けましておめでとうございます。皆様のご多幸とご健康をお祈り申し上げますと共に、
世界が平和でありますようにとお祈り申し上げます。
 
日本の農業は
@本当に実力のある農民の高齢化と後継者不足。
A貿易の自由化に引き続き、農産物輸入自由化の交渉の波など
  農業を衰退させる要因が増え続けています。
 
私達研究所では微力ではありますが、こうした動きに対して日本の食糧と美しい自然環境を守り、
住みよい社会の建設に努力いたします。
 
本年もどうぞご支援のほどよろしくお願い申し上げます。
 
                            花澤ぶどう研究所
                             花澤 茂・睦子
 

メッセージ2

農政大転換に思う

〜山陽新聞への投稿記事〜
日本の農業は、国の経済発展と引き替えに、止む無く衰退の一途を歩まざるを得なかった。今日では、すでに日本の農業の基礎を支えた家族零細経営は、存立不可能。中山間地帯のいたるところで、集落の崩壊から国土環境保全機能さえ失われつつある。この事は、潜在的食糧生産基盤の喪失もさることながら、世界の人々から信頼された誇り高き日本人としての人間性涵養の場も、失いつつある事になる。

現在は飽食の時代と言われるが、世界の貿易自由化、農産物貿易自由化を強要されている中での事であり、そのつけを日本の農家が背負わされて、農業の魅力を失った。そして、多くの国民から農業が疎外され無視される立場になった。だから、自然や生命体との共生の中で取得すべき、生命の尊重・勤労の尊さと喜び・友愛や平等・権利・責任と義務などを体験的に学ぶ場も失った。このことが一層時代が浅薄化する流れを生み、人心喪失等に拍車をかけているという甚だ不幸な時代を招くに至った。

このような時代こそ、国政に携わる方々は、根本的に各分野の政策を見直す必要がある。とりわけ農政は食糧自給率の向上も大切だが、『幸せな美しい日本の国づくり』の原点としての農業も推進して欲しい。21世紀を生きる農民の人生ビジョンと地位の向上のための政策が欠落し、それは食糧安保論・経済効率論に終始してはいないか。地方の零細な農民の活力が人づくりに及び、再び世界の人々から信頼と尊敬を集め称賛される国づくりのエネルギーである事を大切にして欲しい。

そのためには経営規模だけにこだわらず、個々人が農業に賭ける人生の夢を深く汲み取り、その実現化に沿えるような政策援助が必要である。国民は経済産業生活等を益々多様化することで、それぞれ自己実現のために努力している。そのような時期に当たり、このたび農政改革は弱者切捨てへと逆方向へ向かっているようで心配である。

これからの日本を担う若者の夢の中には、規模にこだわる若人もいるようだが、生まれて以来、親も子も自由な個性・能力の成長発達を願って教育し、広い視野で適職を探究している。そして社会も非常に多様な個性・能力発揮の出来る職場が拡大している。

農業面でも消費者のニーズが甚だ多様化しており、それに即応するために後継者も、非常に多様化した夢を抱いている。小規模でも農業にかけた人生の夢が成就するように光を当てないと、現代的な農業後継者の育成は一層困難である。

日本人の優れた国民性の復活は、都市化を進める事で実現するのか、地方の自然・生命体との共生で生まれるのか、農業の現場をもっと理解して適切な政策を実地して欲しい。農業の果たしてきた役割や今後期待される使命を考える時、農業の現場を広く深く理解していただき、もっともっと適切な政策展開をと切に望んで止まない。

農業が崩壊すれば、国の独立も福祉も語れない。『農は国の基』に間違いないと信じている一農民である。
   
   平成19年2月22日
                               花澤ぶどう研究所    花澤 茂