短歌

 

友の夫の開発なせし桃太郎ぶだう

臀部の割れ目桃に似るゆえ

 

黄味帯びて斑点浮く葉完熟と

袋そろりとはがす指先

 

ソフトなる語り口して葡萄園の

蔓さす先より光零るる

 

淡緑の陰曳く至宝の桃太郎ぶだう

一粒一寸のまろき耀ひ

 

新品種に挑める男炎暑にも

疲れを知らず顔艶めけり

 

 

岡山市 松元慶子さんより